月経カップの危険性

「月経カップを使ってみたいけど、危険性が心配」
という方へ。

結論から言うと、危険性はほぼゼロです。

「過去にトキシックショック症候群になったことのある方」は
使用を控えるように、と云うメーカーもありますが
懸念があるのはそれくらいでは無いでしょうか。

一部、レアケースかも知れませんが
「子宮下垂・子宮脱」のリスクについて説明しています。

月経カップに危険性は無いのか?
トキシックショック症候群について

私自身も使用前に「月経カップの危険性」について調べました。
なにより「TSS(トキシックショック症候群)」が心配だったのです。

参考:一般社団法人 日本衛生材料工業連合会「TSS(トキシックショック症候群)について」
トキシックショック症候群により
イギリスで年間数人が死亡する事故が起きています。

トキシックショック症候群は、
黄色ブドウ球菌の異常繁殖などで
一部のバクテリアが毒素を出すことで起こります。

ただし、黄色ブドウ球菌は「乾燥」を好むバクテリアです。

トキシックショック症候群は「タンポンショック」とも呼ばれる様に
タンポン使用の場合に起こり得る症状なのですが

タンポン使用により、膣内が乾燥することが1番の要因と考えられています。

月経カップは膣内の湿潤を損なわず、むしろ乾燥とは無縁なので
通常の使用方法であれば、危険性はありません。

膣内常在菌バランスを損なわないことが大事

健康な状態では、膣内は
デーデルライン桿菌などにより弱酸性に保たれています。

黄色ブドウ球菌などの悪玉菌は、酸性を好まないので
膣内の常在菌叢は良いバランスが取れるわけです。

ただ、一つ懸念があるとすれば
ご自身の免疫力が下がっているときなどに

月経カップの装着&取り外し時
指や爪で膣壁を傷つけてしまうことで
何らかの炎症を起こす可能性は否定できないと言うことです。

月経カップ使用の際は
通常の手洗いおよび爪のお手入れをした上で
清潔な取り扱いを心がけましょう。

(ただし過剰な手指の消毒は不要です。
手指のバリア層が損なわれると、
悪玉菌が増える等、逆効果になりかねません)

内臓下垂気味の人は子宮脱/子宮下垂のリスクも?

筆者自身が懸念しているリスクとして
「子宮下垂」「子宮脱」があります。

子宮脱や子宮下垂とは、子宮を支えている
「骨盤底筋群」が出産等により損傷して緩み
子宮が膣内で降りてきてしまい、更には
膣外へ出てしまうという症状です。

生理中は、全体的に身体が緩んで
骨盤底筋群も緩むのか、子宮が下がりがちなのですが

月経カップを取り出すときに、きちんと
空気抜きをせずにカップを引いてしまうと

必然的に「吸引」する形となり、
更に子宮が降りやすくなってしまう様です。

(筆者の場合、生理終了後は元に戻りますので
神経質になる必要はないかも知れませんが)

3人以上の多産や、更年期以降の方のほぼ半数に
子宮下垂や子宮脱の症状があるといいます。

もし、下垂の傾向がある場合は

取り外し時には空気抜きを徹底するなど
下垂が悪化しないように留意しつつ
カップを使用した方が良いと思われます。

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